体感した貧困
ペルーで見た光景
ペルーのクスコには世界遺産にもなっているアルマス広場というとてもきれいな場所がある。
バックパッカーとして世界を回った時に訪れた場所の一つだ。私は近くのバーガーショップで買ったハンバーガーを広場の階段に腰かけて食べていた。
すると、小さな子供が私の隣に黙って座った。彼は見るからに生活に困っている装いをしていた。
そして、私のわからない言葉で何か話しかけてきた。最初は何を言っているのかわからなかったが、どうやらハンバーガーが欲しいようだったので、紙袋ごと私は彼にあげた。
彼は涙を流して喜んでくれた。ハンバーガー一つでこんなに喜んでくれることに、良いことをしたなという満足感を得ると同時に、私は知識としてあった“貧困”を初めて体感した。
少年が走っていった先には彼の母親と思われる女性がいた。彼女と目が合ったが、彼女は無表情のままだった。少年が母親の元に近づくと、母親は少年から紙袋を奪うように取り上げ、1人でハンバーガーを食べた。
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