03 新しい太陽(HAMBURGER)

ラムを見送ってからとても長い時間が過ぎたけど、太陽の位置はあまり変わっていない。

ミンタが太陽に手を伸ばす。

今日はめずらしく本を読んでいない。

「兄ちゃんはなんであの日、白い人からもらった紙を破ってしまったのかな。」

僕にわかるわけないじゃないか。

「白い人に渡されたものは大切にしなきゃいけない。約束だ。俺たちの祖先と同じ過ちを犯してはいけない。」

兄ちゃんは僕たちに約束させた。

それなのに、あの日、兄ちゃんは白い人から受け取った紙を破った。

ミンタは何で今この話をしたのだろう。

空を見上げると、相変わらず太陽は同じ場所にいる。

太陽が少しだけ動いた時、ラムが帰ってきた。

ラムは泣いていた。

でも笑っていた。

右手にはバーガーショップの紙袋を握りしめている。

それを見たミンタも驚いたことに泣きだした。

でも笑っている。

僕も泣いていた。

でも笑った。

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