ファイナンシャルリテラシー 株式

 株式投資は、まず株式自体の理解が必要です。

 「投資」という言葉は、金融に疎い私たちにとってはリスクが伴うものとイメージされます。実際、私も以前はそう思っていましたし、今でも少し不安を感じます。

 しかし、無知な状態から「危険」と感じる要素を理解したことで、株式投資はむしろ良い選択肢だと気づきました。

 誰にでも勧めるつもりはありませんが、多くの企業が株式会社として存在している現実を考えると、株式投資の仕組みを理解することは将来の自分のために役立つと思います。必ずしも投資する必要はありませんが、その仕組みを知ることは知識として価値があります。

 株式とは、会社を分割してその一部を所有することを意味します。

 株式を持つことで、あなたはその会社の一部のオーナーとなります。つまり、株主として企業の成果や利益を共有する権利を持つことができます。株主には、株主総会での議決権や配当金の受け取りなどの権利があります。

 このような株式の仕組みを通じて、私たちは会社に参加し、その成長や成功に関わることができます。株主は実質的に会社の上に立つ存在です。社長は株主のために働き、株主に利益を還元する責任を持っています。(もちろん、社会貢献などの役割も大切ですが、株主への責任も忘れてはいけません。)

 株主になると、資本を持つことができます。つまり、資本家側の立場になるのです。これは、自分のお金を有効活用し、経済の中で主導的な立場に立つことができるチャンスです。将来の安定や成長を考えるなら、資本家側に回ることは魅力的なことだと言えます。なぜなら、資本主義は「資本を持っている者」が得をする仕組みだからです。

 

 では、実際に株主になる際には、どのような会社の株主になりたいかを考えてみましょう。株主になることは、その会社のオーナーになり、会社の利益を分けてもらうことが目的です。

 金銭面で考えると、利益を出している企業の株主になることが理想的です。これが株式投資の基本です。また、利益が出ていないが将来的に商品化される研究開発中の企業に投資するという戦略もあります。

 どちらにしても、企業の価値を見極める必要があります。バランスシート分析がその方法の一つです。バランスシートは、企業の資産と負債を示したもので、資産から負債を差し引いた純資産が重要な要素です。このバランスシートを元にして、様々な指標が作られています。

 よく聞くものとして、主に現在の利益に注目したEPSやPERといった指標や、純資産に着目したPBRであったり、過去と現在をつなぐPLやCFといった指標があります。

 ここまでいろいろとお伝えしてきましたが、実は企業の価値は私たちにとって完全に把握することは難しいのです。

 実際に株式とは、あらかじめ決まった数の株式が発行されていることが基本です。つまり、その数には限りがありますし、既に誰かが所有しているのです。

 しかし、現在の株式市場では、株式の流動性が高く、欲しいときに買うことも、売りたいときに売ることもできます。つまり、そのときの株価には「高い」と考える人と「安い」と考える人が存在するわけです。

 これには、投資家たちの考え方の違いが大きく関わっています。

 たとえば、投資家Aは、この企業の来年の利益が増えると予測し、今買っておけば将来的に儲けられると考えるかもしれません。一方、投資家Bは、この企業が将来的に業績が悪化し、売り時が来る前に手放しておくべきだと考えるかもしれません。このような異なる予測や視点に基づいて売買が行われるのです。興味深いことに、両方の予測が当たる可能性があるにもかかわらず、予測の長さや視点の違いによって行動が変わってしまうのです。

 これは一つの例ですが、さまざまな指標や投資家の視点などが絡み合って、その日の株価は均衡点として表れるのです。つまり、株価は予測と情報の重なり合いで形成されるものなのです。

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